マクロ政策 2021 6 27

書名 給料低いのぜーんぶ「日銀」のせい
著者 高橋 洋一  ワニブックスPLUS新書

 日本では、「失われた10年」が「失われた20年」になっている間に、
諸外国では、GDPが数倍になりました。
 単純に考えれば、給料も数倍になっているということです。
超大国のアメリカですら、GDPは2倍以上になっています。
 数年前、「iPhone」の価格が10万円を超えた時、
「高すぎる」という意見が多かったのです。
 確かに、日本国内の感覚としては高いという印象でしたが、
国際的に見れば、10万円は妥当なものだったでしょう。
給料が2倍以上になった国から見れば、割安だったかもしれません。
 新型コロナウイルスが流行する前に、
外国人観光客が日本に押し寄せたのは、日本が安いからです。
 日本が20年もデフレを続けている一方で、
諸外国はインフレを続けていましたので、
物価や給料は、大きく違うものになります。
 昔は、東京の物価は世界一高いと言われましたが、
今は、世界一安いかもしれません。
 東京では、おいしいものが10ドル程度で食べられるのは魅力的です。
外国の有名都市では、20ドルでは安いくらいでしょう。
 海外に駐在して日本に帰ってくると、
「日本は物価が安い」と感じる人が多いでしょう。
外国人から見れば「安い日本」と感じるでしょう。
 経済発展している新興国は、日本の給料を抜いたでしょう。
国際的に活躍している経営者を日本企業で役員として雇うとなると大変です。
年収数億円では安いほうであり、普通は10億円を超えるでしょう。
そうなると、日本人社長の数倍も収入を得る外国人役員となります。
 給料のことばかり書きましたが、
税収にも大きな影響がありました。
 基本的に、「税収=GDP×税率」ですので、
日本は、GDPがほとんど増えなかったので、税収面では厳しいものがあります。
一方、GDPが数倍となった諸外国は、税収面では楽なものがありました。
 今、日本は、江戸時代のようなものです。
やがて、経済力をつけた諸外国が「黒船」に乗ってやってくるかもしれません。





















































































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